今、ほぼ 4ヶ月やって、ようやく仕事が見えてきました
以前は締め切りが怖くて、
とにかく気合いで寝ずにやるべし!だったのが
今は何にどのぐらいかけて、
ああ、どのぐらいかかるわってアタリがついて、
どうやるかを作る前に考えられるから、
それに必要な情報が事前にみえてきた。
これは技術的レベル、自信が大きい。
初めは、何もかもに戸惑っていたからなぁ。
windows、ファイル管理、Flash IDE、AS2、
どれも初体験で、基本でつまづいてました。
この前会社の帰り際に「充実してますか?」って聞かれました。
それだけ、前は死にそうな顔しかしてなかったのかもしれない、
もしくはその時、すごい楽しげな顔をしてたのかもしれない、
もしくはおれが最近、「充実野菜」ばっか飲んでるからかも。
返事は即答で「してます!」です
今、楽しい。
今まで守りだけだったのが、ようやく攻めに変わりつつあるというか、
手応えがあるのですよ
もう遅いのだけど、やるだけの事はやろうと決めました。
そんな中、今月入社した隣の席のロクさん、
初めから妙な親近感があったわけですが、
昨日のある一件から5時間近く話しこんだ。
話すというか語るというやつだ。
自分、人見知りする性格ですが、時々出会うんです。
びたっとハマるというか、
「ええ!なんで同じこと考えてるの!」みたいな人です。
もう、「死」についてだったり、
「絵をかく」という行為についてだったり、
「商業デザイン」やら「失敗学」やら、
本当にとりとめもなく正直に思う事を言い合って、
コモンセンスの多さに驚く
さらに止まらず、この面白さを知っているか、本なら、音楽なら、
じゃあ、これのおもろさを教えてやる、って感じです。
おれが生涯これを越す面白さの本はない、と認定している
戸部新十郎の「服部半蔵」を勧めるほどですよ
いや、誤解すると思うけど、服部半蔵の面白さは悪魔的ですよ
能、申楽に興味をもったのもここから。
パフォーマンスというものを
受け取り手に与える刺激という観点で評価するならば、
当たり前だけど、受け取り側の能力が大きく関わる。
全ての事にあてはまるけど、対象を完璧に受け取り手に伝達する事は
脳と脳を繋げでもしないと不可能、
繋げたって2つの脳の基本構造が違えば、結局違う刺激になるだろう。
人は自分に見えている色、例えば「赤」が、
他人が見えている「赤」と一致しているかを確認することすら不可能なのだ。
それは血の色であり、りんごの色で、
外部のものを基準として「赤」という識別子、名前をつけているけれど、
その血やりんごの色、赤というものの色としての見えが
本当に同じかどうかは確認できない。うーん説明できてるかな。
受け取り側の能力によって
同じものを見ても、
人それぞれ違う刺激なのは当たり前って話か。うん。
パフォーマンス、コミュニケーション生成で考えるべきは
相手の脳の何を刺激するか(相手の脳内最終)、
相手の脳の形はどんなか(最終に必要な相手の脳内処理)、
相手の五感のどこからそれをいれるか(相手の脳と外部の橋渡し部分)、
「それ」にあたるものをどう表現するか(外部、現実世界部分)、
となると思う。
この考えというか手順のどこにウェイトをおくかが、
いわゆる抽象表現と写実表現みたいな切り方になるだろう。
で、能、申楽です。
これは抽象表現の極みの一つだと思います。
例えば、舞台上で見えていても、見えていないものとして
受け取り手が補完しないといけなかったり、と、
パフォーマンスの着地点がとことん、こちらの脳内、
作品の狙い、刺激を、完成させるのに、
受け取り手の想像力の比重がでかい。
五感インプットが多いほど、
このシステムをうまく稼働させるのは難しいと思いますが、
舞台という、目で耳で受け取るリッチなパフォーマンスなのに、
絶妙のルールでうまく機能させていると思います。
風姿花伝の言葉を引用すれば「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」です
で、戸部新十郎の服部半蔵です。
服部の祖が世阿弥、観阿弥であるという説から
風姿花伝を芸事に発展させたのが能、申楽、
殺人に発展させたものが忍術であるという考え
安土桃山時代の服部半蔵の代のお話ですが、
風姿花伝の言葉がことあるごとに引用され、
ああ、おもしれーなー!思い出すだけで面白い!
武田と上杉の二人を半蔵が騙して碁の勝負をさせ、
それを川中島の戦いレベルに昇華させるくだりとか
しかも騙した理由がおもしろそうだから、とかそんなレベルだったりなんだな!
歴史フィクションとしてもたまらないし、
果心居士が路上パフォーマンス中に半蔵にモノを投げられて、
衆目かわしたようにみえて実は裏で当たってたとかめっちゃ笑った!
人物の細部、それぞれのキャラクターがまた絶妙
半蔵はどこの陣営かを区別なく忍びで戦局を揺るがすのだけど、
お金でも信念や理想のためでもない、
では何を基準に仕事をするのか、というのが最高なんだなー!
高校の時、読みながらメモってたのを見返しておもろい。
花の萎れたらんこそ面白かれ。花咲かぬ草木の萎れたらんは何か面白かるべき
巌(いわお)に花の咲かんが如し
(これ概念として覚えてたけど、言葉として忘れてた。
鬼を真似る際、その怖さを真似ても面白くない。鬼を真似るおもしろさとは
岩という花が咲くことが決してないものに花を咲かすというところ)
道(茶道とか剣道とかの道)とは、実用性を無視したところに道がある(見事すぎる!)
申楽とは、諸人快楽のため、風月の景をかりて、この遊びの媒(なかだち)とせり
うーん、ナイス、メモ。
ロクさんならきっとこの面白さに、心底よがってくれるだろう
すごい分厚さだけど、冒頭からラストまで余すところなく面白いよ服部半蔵
明日はロクさんとラピュタ阿佐ヶ谷のエストニアアニメーション見てきます
ロシア好きという共通項もあったのです
今度おれの持ってるパラジャーノフを全部みせてやる!
その後、ロクさん家に上がり込んで戸川純の魅力を語られつつ、
こっちは服部半蔵もっていきつつ wayne shorter映像を見せるところまでコアな予定が決まってます

